奥野一成さんの「教養としての投資」という本とてもためになる

読書

奥野さんは日本のバフェットのような人です。
職業柄、奥野さんとお会いしたことがありますが、投資先の選定方法やら注目している企業の事業内容やら、とても熱く語ってくださいます。

その奥野さんの本を読んでみました。

「投資を始めたいけど何から始めていいかわからない」という方向けの本というよりは、「投資」とは何かということを中心に、自分がどのように考えて、どのように行動していけばいいかを知ることができる内容となっています。
とてもためになる本なのでご紹介します。

どんなことが書いてあるか

・長期で保有できる銘柄の選び方などが書いてある本ではない。
・ビジネスパーソンとしての「投資」への考え方が書かれている。
・ビジネスで必要となるのはどんな能力で、どのように生かせばよいか書かれている。
・資本家と労働者の差異に触れ、今後の働き方に関する考え方が書かれている。
・奥野さんが立ち上げたファンド「おおぶね」シリーズの、投資先企業を選ぶ時の考え方が書かれている。

本書のポイント

・日本はどんどん貧しくなっている。
・一人ひとりが「投資家の思想」を持つことで、日本の未来は豊かになるはず。
・これからの労働者は、能動的に自ら問題を発見して行動する力が求められる。
・投資で成功するために重要なのは、知識や経験をひとつにまとめ上げて仮説を作る総合力である。
・資本主義社会で成功するためには資本主義の仕組みをよく理解する必要がある。
・資本家は、社会の課題を解決するためにお金を出してほかの人を働かせる。
・自分自身が働く以外にも収入を得るすべがある(投資)。
・時間、お金、能力の関係性を理解して、自分が何をすべきかを考える。
・奥野さんの経歴、NVIC(農林中金バリューインベストメンツ)設立への想い。
・長期投資先は、「構造的に強靭な企業(NVICの登録商標)」の要素で決める。
・投資と投機の違いについて理解する。投機は悪ではない。
・資産形成で失敗しないための助言。

注目した点

この本の中で最も言いたいことは、恐らく、『投資とは、事業からどれだけ利益が得られるか。』ということだと思います。

そこで、どういう事業が良い事業か、どういう会社が良い会社かという観点が出てきます。奥野さんはそれを「高い付加価値」、「高い参入障壁」、「長期潮流」の3つの要素から判断し、この要素を持っている会社を「構造的に強靭な企業®」と呼んでいます。
農林中金バリューインベストメンツ(NVIC)参照

「構造的に強靭な企業®」であれば、3つの要素が弱まらない限り、売らずに保有し続けるということです。本を読むと分かるのですが、これを自分で判断するには相当の訓練が必要と感じます。

もう一つ、わたし個人として注目したポイントは、「人生100年時代における選択肢」です。

よくある人生100年時代の本の内容とは少し違っていて、お金の寿命を延ばそうとか、長く働こうとは言っていません。歳を重ねるとだんだん生産性が落ちていくので、若いうちから、「能力」、「お金」、「時間」の3つの要素がうまく活用できるようにライフプランを立てましょうと言っています。

社会人になってからすることは「貯金」ではなく、「節約」でもなく、、、、、。

資産形成についてのヒントも、この本の最後の方に出てきます。「個別株に投資していい人、いけない人」「インデックスか、アクティブか」みたいな面白い話題について、奥野さんの考え方を知ることができます。奥野さんの弱点も見つかるかも…。おすすめの本です!

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